March 7, 2019
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消費者の皆様に届けるために製造する、あるいは栽培・飼育する食品の保護を仕事の中心に据えているプロフェッショナルにとって、食品の安全性は常に、その情熱の向かうところであり、また懸念を抱かせるものでもあります。過去1年間の経験を振り返りながら、食品サプライチェーンを安全に保つために払ってくださった皆様の努力と献身に、感謝を申し上げます。
「ただ何かを待つのではなく、毎日を有意義に過ごすべきだ。」
— モハメド・アリ
食品業界にとって、食品安全管理は「身についた好み」以上を意味します。盤石なプログラムは業界内の多くの会社にとって施策の中心ですが、やるべきことはまだ残っています。マネジメントのコミットメントと、組織内での食品の安全性を重んじる強力な文化の存在が、こうしたプログラム成功の秘訣です。トップダウンとボトムアップ、両方向からの食品の安全性に対するコミットメントは、貴社の評判に対するリスクと、多額の費用がかかる製品リコールの可能性を大幅に低下させます。
文化は「組織の個性」として定義づけられるもので、個性を測定することは簡単ではありません。全社的に食品の安全性に対する前向きな文化を醸成することは、数十年行われてきた旧来の慣行に勇気を持って立ち向かい、凝り固まった行動や価値観を変えるために必要なマネジメントのコミットメントを得ることを意味します。
2011年に施行された食品安全強化法(FSMA)は、食品の安全性に対する心構えを、受動的なものから能動的なものへ転換する原動力となりました。SQFIは、過去1年間にわたり変更とアップデートを加えることで同種の対応を行い、企業の予防的で積極的な食品安全文化の育成を支援しました。
SQFコード第8版
今年、SQFIはSQFコード第8版をリリースしました。 アップグレードしたプログラムのリリースの目的は、事業運営と業界セクターのニーズに適した食品安全と品質コードの再構成、システム要素と業界の優良事例の更新、最新の食品安全問題と規制要件への注力です。 1つの主要な基準から7つの業界固有の特徴あるプログラムに移行し、レベルカテゴリを廃止しました。 アップグレードしたプログラムのリリースにより、ステークホルダーの皆様へ、変化の激しい規制と食品安全の動向に対処し、食品安全と品質プログラムの範囲を新たなレベルに引き上げるための、関連性の高い確かなリソースを提供します。 SQFコードへの主要な変更の1つは、食品品質認証に対するアプローチです。 品質プログラム第8版は旧レベル3で、施設は業界に関連するSQF食品安全コードに対する認証を保持する必要がありますが、品質審査の結果は食品安全審査のスコアや格付けには影響しません。 品質審査のスコアを合格か不合格のみに変更し、プログラムをより万全なものとするために、小売業者とサプライヤーん皆様、両方からのフィードバックを取り入れました。
食品小売業者向けSQF食品安全コード
SQFIは最新の認証プログラムである、食品小売業者向けSQF食品安全コードを発表しました。この認証プログラムはさらなるブランド保護対策を求める小売と卸売の食品販売者のためのもので、消費者の適切な保護の実践をサポートします。 プログラムは、制度の要素と、小売業者、卸売業者、食料品店向けの優良小売事例を含み、 会社と個別の店舗レベルでの審査の実施について、複数施設プログラムへの参加オプションと共に概説しています。
コミュニケーション戦略を磨く
SQFIが開発や主催を行う多様なイベント、トレーニングクラス、プログラム開発、教育リソースの数は増える一方であることから、SQFIは、ステークホルダーの皆様にとって透明性に優れた、お客様により良い体験を提供するために、2017年の主要なコミュニケーション戦略を再考する必要があると考えました。この目標を実現するために、SQFIはイベントや情報を取りまとめ、食品安全、品質、倫理的な調達業界におけるソートリーダーシップの交換を促す、月1回のニュースレター発行を開始しました。その結果、この新たなコミュニケーション戦略は、会員エンゲージメントを25%向上させました。
地球全体に広がる食品の安全性
今日の消費者は地元の製品と海外の製品の両方を購入したいと考え、製品のさらなる多様化に期待し、さまざまに異なる流通チャネルから食品を入手することを求めています。 現代ほど、サプライチェーンの保護が不可欠な時代はかつてなく、また規制当局や政府の規則と規制が増加しているため、SQFプログラムの実行が今まで以上にお客様の事業にとって重要な意味を持ちます。 SQFプログラムは、まさしく農場から食卓までを対象とする世界的基準です。
SQFIの国際的なアウトリーチ活動にはメキシコ・グアダラハラのExpo ANTAD & Alimentariaでの展示とプレゼンテーションや、日本、台湾、オーストラリアでのサプライヤーセミナーシリーズなどがあります。海外出張の間、各地の小売業者やサプライヤー、政府関係者、その他の食品安全のプロフェッショナルの方々に会い、FSMAの外国仕入先確認プログラムの影響、食品安全の今後、SQFIでの最近のプログラム開発について話し合いました。
ワシントンD.C.では、中国の国家食品薬品監督管理局の代表者による訪問を受け、米国の規制に関するSQFIの専門知識と、SQFプログラムとFMI食品安全リソースを伝えると共に、サプライチェーン全体での食品の安全性を守るための双方の協力の可能性について検討しました。 こうした視察や訪問は、食品安全の取り組みには国境がないことを確信させ、SQFIチームにとって各地の主要な小売業者と協力し、食品安全における相互の発展について話し合う絶好の機会となりました。
昨年得た経験を振り返り、「孤立した状況では成功は起きず、人は、共に働く人々、そして自分の上に立つ人々以上に優れることはない」という事実に気づかされました。SQFI一同、食品の安全性に対する皆様の揺るぎない貢献に感謝すると共に、素晴らしいクリスマスシーズンをお祈りいたします。
– SQFIチーム
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